窒素富化膜について
窒素富化膜とは
窒素富化膜の構造
窒素富化膜の内部には数千本の中空糸の束があり、中空糸束の両端はエポキシ樹脂で固められています。この束の両端は切断され、中空糸の穴が両端では開いているため、ガスは端から端へ流れることができます。ケーシングが中空糸の束を保護して、ガスを適切に送ります。
窒素富化膜の動作原理
窒素富化膜の中空糸に圧縮空気を送り込むと、各分子の溶解性と拡散性によって、通過速度が変わります。比較的速度の速い、水(H2O)ー二酸化炭素(CO2)ー酸素(O2)は、中空糸を通り抜けて、外側に進みます。比較的速度の遅い、窒素(N2)ーアルゴン(Ar)は、中空糸内を直進します。空気の体積割合は、酸素が約21%、窒素が約77%なので、窒素のほとんどが直進して、窒素富化膜の出力から高濃度の窒素(N2)富化流が出てきます。
圧縮空気だけのシンプルなシステム
窒素富化膜とは特殊なフィルタを通して窒素だけを分離し、得られるフィルタのことです。圧縮空気を膜に通すことによって最高99.5%の純度で窒素ガスを得られます。装置のように駆動部がないので、故障等のメンテナンスは少なく、主な消耗部品もエアフィルターのみで、またイニシャルコストもボンベや発生装置等と比較すると非常に安価です。シンプルな構造なので立ち上がりも早く、省スペースです。